最近は新しく従業員を雇ってもすぐ辞めてしまう。
理由はミスマッチ。
思っていた仕事と違う。
されこのミスマッチ。確かに入社前のイメージと違っていた仕事環境は続けづらいです。
しかし古い世代の人からすると、思っていた仕事環境と実際が違うなんて当たり前。そんなの理由にならないという感覚も強いでしょう。
結局ミスマッチという言葉でどうしようもない、ということで終わっているのが現状。
でもミスマッチの本当の理由を解剖すれば、次回の求人は離職率が下がるかもしれません。
ミスマッチの本当の理由は、思い描いていた仕事と違うということではなく、違う仕事でも嫌にならない理想や目標が職場で見つけられないからです。
例えば営業職。
未経験でもやれると聞いていたけどキツすぎる……やめよ……というのは腐るほどあります。
そんなイメージと違った仕事でも以下のような条件が強ければ仕事は継続できます。
- 高い給料
- 給料以外に得られるモノがある
- 仕事の結果が自分にとって理想的である
よく好きなものを扱うなら続くと言いますが現実は違います。好きな商品を売る会社であっても、仕事内容が思っていたのと違うとやってられません。
好きなものだからこそ、もっといい職場があると考えられます。
給料がイマイチでも、それ以外に得られるものの価値を感じているなら仕事内容がちょっと違っていても辞めるまで到達しません。
代表的なのが実務経験やその年数です。
将来的に独立や資格取得などに必要な実務経験が得られる。そのために働いているのであれば仕事内容に不満があっても、ここを辞めてまた違う同種の職場を探す手間を考えると……となります。
少し弱いですが昼ごはんの社食が無料というのも実は離職率を下げたりします。昼ごはんが得られるということ。
仕事内容は好きじゃないけど昼ごはんは何も考えなくても美味しいしお金もいらない。他の職場だとそうはいかない。となると離職率は下がります。
過酷で低賃金のアニメーターはなぜ仕事が続けられるのかというと、アニメが好きだからだけではありません。
仕事の結果、つまりアニメの完成後の社会に自分の仕事が繋がるからです。自分の描いた絵が世界で見られ、世界の人の心を動かす。感想や評価の声を見る、聞くことができる。そんな仕事はなかなかありません。
本来ならあんな低賃金で体壊してまでできるはずがないです。
結局のところ、仕事が理想と違っても大きなお金が入るなら我慢できます。クソみたいな職場でも、クソ度合いに応じた大金なら離職率は下がります。
しかし大体数の中小企業にそれは無理です。
また2の給料以外に得られるものというのもなかなか厳しい。
極端な例として、天涯孤独の自分がまるで家族みたいに迎えてくれる職場で他にこんな環境はないだろう。そういうのも給料以外に得られる価値ですが、こういったものはたまたま成立するものであって従業員募集で狙って実現するものでもありません。
となると現実的なのは3です。
むしろ世の中のミスマッチ最大の理由。自分のやっている仕事の先、結果が理想的じゃないんです。
簡単に言うと何のためにやっているのか分からない状態。
漫画やドラマなどでたまに見る描写があります。
仕事をイヤイヤやっていて、もう放り出して辞めてやろうかと思っていた時、全く知らない人から「あんたの所の製品いいねえ。いつも助かってるよ」と声をかけられた。
こんなきっかけから自分の仕事の結果、仕事の先を知ることができて続けられたというケース。
実際にこんな出来事があるかないかは別として、このように自分がやっている仕事の先が想像できたり、誰かの役に立っているなどの実感があると従業員の継続率は上がります。
すぐに従業員が辞めてしまう職場の場合、待遇や激務といったブラック要因の他に、就職してからしばらくの実務期間で「仕事の先」を実感できなかったケースが多くあります。
「仕事の先」が全く見えないと、後は給料などの労働対価しか仕事を続ける理由がありません。
本当は良い職場でその人にも合っているはずなのに、従業員本人が「仕事の先」を見つけられていない。だから辞めてしまう。
どうしても入社して仕事をしながら、今自分がやっている仕事の意味やその結果などの先を感じていきます。
しかし入社前のイメージと実務がズレることがほとんど。そのため違和感しか感じられず、そこで働く意味を感じられずすぐに退社する従業員が増えがち。
ということは、入社前の段階で「仕事の先」をいかにして実感してもらえるか?
これが退社を防ぐ、元より職場に合わない人の応募を避けてお互いに困ったことにならないWin-Winの関係を作るコツとなります。